ジュケンシステム JUKEN SYSTEM とは?
樹研工業が生産する小型プラスチック部品の高品質を裏付ける、生産、技術、管理全体のシステムです。当社の高い品質保証は、この理念及び具体的条件を基に、成り立っています。
作業記録及び製品サンプルは、30年間保存されます。このシステムは1970年に構築され、以来一貫して継続的に実行されています。
ジュケンシステムの条件
1. 株式会社 ジュケンマシンワークス(JMW)製の高性能な小型成形機を使用する。
成形性向上のために、射出圧力よりも射出速度を重視しています。
また無人化、省エネのための配慮もされており、標準機をベースに専用機化することも可能です。
2. 有限会社 ジュケンファインツール(JFT)が製作する、高精度な金型を使用する。
3. 全ての作業は、株式会社 樹研工業の「業務推進マニュアル」に従い、遂行される。
プラスチック射出成形を工程別に考えるのではなく、設計から生産までの行程を最適化するために業務推進マニュアルは作成されました。これは当社が誇る管理技術の集大成であり、日々の品質管理から、トレーサビリティーを確保するためのドキュメント管理にまで及びます。
ジュケンシステムのドキュメント管理
品質管理ドキュメント類の保管は、30年以上と義務づけています。
1. トライファイル
製品、金型の仕様書、量産検査用の代表特性値を指定する流動品検査基準書、トライにおける測定結果、成形条件や初品サンプル(成形品)を保管します。
これらの記録は、同じタイプのJMW成形機であれば、常に同じ条件設定をすることが可能です。また試作時の試行錯誤等の記録も保管されるため、経験を共有することができます。
2. 部品管理ファイル
トライルームでの試作作業が終了後に精密測定室から移管されるトライファイルと、量産検査室における代表特性値の測定結果を記録する流動品検査表を再度ファイルし直した物が部品管理ファイルとなります。このファイルには、お客様との打合せによる記録、設計変更等の生の記録も含め、製造部品に関する全ての情報が保管されることになります。
そして日々の作業でアクセスが必要な情報等は、データベースに組み入れることで、素早い対応を可能にしています。(コンピューター及び紙面で、大切なデータを管理しています。)
3. 海外部品管理ファイル
海外移管は、部品管理ファイルの中から必要な部分のみをコピーして行います。原本の部品管理ファイルは、移管管理ファイルとして全て国内で保管されます。
4. 金型管理ファイル
金型に関する設計、および管理(メンテナンスを含む)履歴を納めたファイルです。
ジュケンシステムのシステムフロー
- 金型が小さいため、温度コントロールが容易です。
- ランナー長を一定にできるので、成形が安定します。
- エジェクト・タイミングのズレによるトラブルが減少します。
- キャビティー間のバラツキを、最小限に抑えられます。
- 過剰な型締力を必要としないため、金型寿命を長く保つことができます。
- 金型製作期間が短くて済みます。
- 製品立ち上げのイニシャルコストを軽減できます。
- ジャストインタイム生産が可能です。
- 少量多品種への対応に最適です。
- 大量生産には、必要に応じて増面型で簡単に対応できます。
- 複数金型での生産は、金型破損リスクの分散になると共に、量産続行中の設計変更にも対応するなど、小回りの効く柔軟性が絶大です。
- シンプルな生産システムを構成できるため、品質、生産管理レベルが向上します。
- 生産の自動化が容易になり、コスト低減を可能にします。
- 小型精密部品の射出成形に特化した小型成形機による少数個取り生産は、通常の機械や金型、多数個取りでの生産に比べ、低コストが見込まれます。