「結晶性」と「非晶性」1
熱可塑性と熱硬化性、2種類のプラスチックは射出成形によく使用されます。その中で熱可塑性のプラスチックを樹研工業では取り扱っています。さて、その熱可塑性樹脂にも大きな分類として2種類あります。特徴による分類ですが、「結晶性」と「非晶性」プラスチックという分類です。当然のことながら前者は結晶構造を持ちうるプラスチックで、後者は結晶構造を持たないプラスチックです。
プラスチックは大きな分子が絡み合って形を保つ物性を持っているため、この違いで機能は大きく左右されます。部品などでも向き不向きがあったり、光を透過したりしなかったり(透明、不透明)等の違いがあります。また、成形された後の収縮や硬さにも違いがあります。
一般的に「結晶」というとどんなイメージでしょうか?
普通はまず鉱物を連想し、ダイヤモンドや宝石類などの角ばった石を想像すると思います。水晶や方解石、黄鉄鉱などもそうですね。もう少し詳しい人は、身近な物では塩化ナトリウム、理科の実験などに使用した硫酸銅などを連想することもできます。
通常想像されるこれらの結晶は「単結晶」と呼ばれる物で、原子が特定のルールに従い綺麗に並んだ状態です。だからといって結晶性プラスチックを成形すると、プラスチックの宝石できるわけではありません。 ^^;
プラスチックの結晶は、アモルファス(結晶化していない物質)の海の中に、細かな結晶が沢山点在している状態と考えてください。同じ物質で同じ条件下でも結晶化する部分と、しない部分があるのが、この結晶性プラスチックの面白いところです。
この話の続きはまた後日。
NM