なかなか耳にすることは少ないと思いますが「超精密加工」とは、精密加工以上に精密ってことです。
じゃ、どのくらい精密なの?
そこが知りたいですよね。通常の精密加工は1mmの1/1000を1μm(ミクロン)単位が精度の基準だと考えてください。一方で超精密加工は1μmの1/1000となります。この単位を1nm(ナノメートル)と言います。この長さは、ちょうど水素原子が約10個並んだ距離くらいになります。
この精度で加工が施されるとしたら、何を想像するでしょうか?1ナノメートルの小さな物を作るわけではないですが、加工したものの表面の凹凸がナノメートル・レベルの超高精度で加工ができるとしたら、これは面白いですよね。そんな加工を私たちは始めています。
それがいったい何になるのかというと、プラスチック成形に使う金型になります。金型にすることで、非常に高精度な部品をリーズナブルな価格で量産する事が出来るのです。もちろん一般の精密部品に比べれば、比較的高価な物にはなりますが、一個ずつ磨いて作っていた物と比べれば、はるかに安価で大量に作ることができます。
超精密加工にはダイヤモンドの工具を使用します。
超精密加工をするためには、超精密な工具が必要なんですが、これを実現してくれているのが単結晶ダイヤモンドを使った特殊な刃物です。その工具を1nm精度で動作する加工機を使って切削加工をします。切削加工とは、金属を刃物で削る加工です。砥石や研磨剤を使う研磨加工や磨き加工とは異なります。また、加工した金型部品も測定する必要がありますが、この測定も1nm精度で行います。まさに水素原子を覗くような感覚です。そうは言ってもそれが見えるわけではないですが。
この加工技術を利用して、これからのモノ作りがどんな方向に行くのか本当に楽しみです。現在でも、医療や光学分野では大活躍の超精密加工ですが、まだまだこれからの可能性が広がってゆきます。
超精密加工については、こちらもご覧ください。
超精密加工技術
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NM