熱可塑性プラスチックについて。
熱可塑性プラスチックとは、熱で溶けるプラスチックの事です。実はプラスチックの中には熱で固まるものもあるため、あえてこう呼んでいます。ちなみにこれらは熱硬化性プラスチックと呼びます。それぞれに得意分野があり、使用される環境により棲み分けされています。その中で私たちが取り扱っているのは、熱可塑性のものです。
樹研工業で最も多く使用されているプラスチックは一般的にはポリアセタールと呼ばれる物で、正式名はポリオキシメチレン(POM)という材料です。プラスチックに関わる仕事をされている人にはPOMやポムなんて呼び名が身近かもしれませんね。なぜこの材料が多く使用されているかというと、樹研工業で製造されている部品類の傾向によるものです。
私たちは沢山の、小さな精密機構部品(動く機構の中で使用される部品)を多く生産しているため、POMが使用されることが多いのです。POMはこのように動く部分に使用される場合、とても優れた機械的特性を持っており、そのため歯車、ウォーム、スイッチ、などにたくさん採用されています。
POMの大きな特徴としては、結晶化するプラスチックであるということが挙げられます。結晶化するとプラスチックの機械強度は上がります。そのため多くの要望を満たすため、沢山の種類のPOMが材料メーカーから発売されています。材料選びは使用環境、使用方法が優先される場合が多いですが、成形性(成形のしやすさ)を優先する場合もあります。通常はお客様の方で決定している場合が多いです。そうでは無い場合は、お客様との相談の上で決定します。
熱可塑性プラスチックには他にも沢山の種類があり、その各種類の中にも多くのグレードがあります。グレードとは、ユーザーの要望に応えるため、添加物などを加えてプラスチックの性質に若干の変更を加えたものと思ってください。しかし、この若干の変更が、とても大きな意味を持ってきます。こういう工夫によって、プラスチック材料は、より多くの場面で使用できるようになり、私たちの生活から切り離すことのできない素材となっています。
NM